府下いっせいNO2測定運動
2016年4月13日
大阪民医連共同組織交流集会に715人
玉川、大開の両支部分散会で活動報告
1977年から約5年に一回取り組まれてきた「府下いっせい二酸化窒素測定運動」が今年、5月19日(木)~20日(金)に実施されます。この測定運動は大気汚染の指標であるNO2濃度を簡易なカプセルを使って測定するもので、住民自らの手で空気の汚れを調べる運動です。福島区の測定運動は今回で8回目(38年目)を迎えます。前回は福島区全域に87個のカプセルを設置し測定を行いました。同時に中海老江・野田阪神・玉川4丁目・浄正橋交差点に19か所、高速道路淀川左岸線計画地周辺に103個の測定を行いました。測定は試薬をふくませた濾紙(ろし)の入った4㎝くらいのプラスチック製のカプセルを家の壁や電柱に24時間取り付け回収し、検査センターで解析して二酸化窒素の濃度を検出します。環境基準は未達成、新たな環境破壊も大阪府と市はNO2について「すべての測定局で環境基準を達成した」と言いますが、それは環境基準の0・06ppmをクリアしたに過ぎません。平成24年の結果では基準の下限値である0・04ppm以下をクリアした大阪市の局はゼロです。福島区の測定結果では最近の自動車排ガスの対策強化などによってやや濃度は低下していますが、国道2号線沿いや海老江~中津線等幹線道路、大きな交差点などでは0・06ppmを超えるような汚染もみられ、「環境は改善された」と言える状況ではありません。また、最近のPM2・5の汚染の広がりや新たに計画されている「淀川左岸線二期事業」の建設などによっては更に汚染がひどくなることも懸念されます。WHOの研究機関は大気汚染が肺がんの原因になる十分な証拠が結論づけられたと発表し、国内の研究でもPM2・5の濃度が高くなるごとに脳血管系疾患による死亡率が増え、NO2濃度が高くなるごとに心肺血管や呼吸器系疾患による死亡率が高くなると警告しています。私たちのまわりの環境を守り、健康を守るためにみんなの手で空気の汚れを測り、行政に環境改善を働きかけましょう。福島区では公害患者と家族の会やパルコープ、医療生協など9団体と個人が実行委員会をつくって測定に取り組みます。皆さんの測定への参加とご協力をよろしくお願いします。