高血圧についてもっと知りましょう
2014年9月10日
高血圧の別名はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)
健康診断や診察時に必ず血圧を計りますが、何故でしょうか?それは高血圧かどうかを判断するためです。高血圧は別名サイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれています。すなわち、①高血圧であっても自覚症状が無い↓②知らないうちに病気が進行・悪化する↓③病気が不意打ちに発症↓重症化(死亡の原因)という流れを取る可能性が有るからです。高血圧が引き起こす主な合併症を図1に示しますが、日本人の死亡原因の約25%は高血圧が原因となる心臓や脳血管の病気とされています。それでは、血圧が高いと何故これらの病気が起こるのでしょうか?①高血圧が持続すると血管(動脈)に強い力がかかり続ける↓②動脈の壁が厚くなり動脈硬化を引き起こす↓③血管が破れたり(出血)、詰まったり(梗塞)する。これが脳出血、脳梗塞、心筋梗塞という状態です。また、腎臓の血管が障害されると腎硬化症となり、腎臓の働きが低下し(慢性腎臓病と呼ばれています)、さらに進行すると透析療法が必要となります。動脈硬化を進行させる原因として、高血圧以外に、脂質異常症(高LDL血症、高トリグリセライド血症、低HDL血症)、糖尿病などの病気も知られています。次に、高血圧の診断についてお話します。日本高血圧学会から高血圧治療ガイドラインが本年4月に出ましたので、図2に示します。家庭血圧測定が重要であることが示されました。次回は血圧測定時の注意点などについて述べます。
吉野診療所所長 中西功